このページでは硝化綿(しょうかめん)ラッカーとアクリルラッカーの違いについて説明します。ちなみに硝化綿ラッカーはニトロセルロースラッカーともいわれます。
ラッカーとは塗料の一種であり、ラッカー塗料中の溶剤(シンナー)が揮発して乾燥すると硬くなる塗料です。日本では古くからある漆もラッカーの一種で、硝化綿(ニトロセルロース)ラッカーもアクリルラッカーも同様です。
また乾燥が早い塗料というくくりで定義されていることもあり、「水性ラッカースプレー」など乾燥がやや遅いものでも従来のラッカースプレーと同じ用途で使ってもらうために「ラッカー」という名前が冠されてるものもあります。
下記では当店で扱っているラッカーの種類について説明します。全て油性塗料となります。
硝化綿ラッカーはウィキペディアからざっくり答えますと、
「綿などセルロースからなる繊維のニトロ化によって得られる樹脂であるニトロセルロースを、トルエンやキシレンやアルコール類などが入った溶解性の高いシンナーで溶かした塗料」
です。難しいですね。
塗料中のほとんどが溶剤でできており、乾くとほぼ硝化綿(ニトロセルロース)と顔料だけが残ります。その塗料の膜として残る成分は1/4ほどです。ですので塗って得られる塗料の膜(塗膜)は塗料の種類の中ではとても薄い部類に入ります。
硬い塗膜は得られますが、他の塗料と比べて対候性(屋外での強さ)が弱く、はがれやすいといった特徴があります。
アクリルラッカーは上記の硝化綿ラッカーにいろいろな樹脂を混ぜて改良した塗料です。とくにアクリル樹脂を主としています。
いろいろな樹脂を混ぜたりしているので家庭用品品質表示法に基づく表示では「合成樹脂塗料」に分類されます。また「アクリル塗料」とも言われることもありますが、アクリル塗料はアクリルラッカーをさす場合とそうでない場合があるので完全にイコールではありません。
硝化綿ラッカーの弱点であった塗膜の薄さや対候性の悪さをアクリルでカバーしているので硝化綿ラッカーより耐久性に優れます。とはいえ現在ではウレタンやシリコンやフッ素など様々な高機能塗料が開発されているのでそれらと比べては劣ります。
以上硝化綿ラッカーとアクリルラッカーについて簡単に解説してきましたが、共通するメリットとして乾燥が早く硬い塗膜が得られます。多少対候性が悪くとも屋内で使用するものでしたら何十年ももつものですし、木工家具の業界では作業性の良さからまだまだラッカー系の塗料はよく使われています。