「調色」とは、色と色を混ぜ合わせて新しく色を作り出すことです。簡単な例では青と黄色を混ぜて緑を作る、というような作業になります。
日本塗料工業会(日塗工)から発行されている色見本帳には約600色の色が掲載されており、これだけでもホームセンターに並んでいる色数とは比べものにならにあほどの色数になります。
しかし、色を混ぜ合わせる調色では何億、何兆ともいえないほどの無数の色を作り出すことが出来るのです。
「なんだ、混ぜるだけなら自分にもできそう」と思いませんか?
単純なようでいて、作りたい見本の色を塗料で再現するというのはとても難しい作業になります。
「え?機械で作ってるんでしょ?」そう思われる方も多いですが、当店では1色1色手作業で調色しています。
このページでは、普段あまり知ることが出来ない調色の詳しい調色工程をご紹介していきます。
まずは調色したい量の半分以下を目指します。半分以下の量で色を試行錯誤しておくことで、後で量を増やす際に作りすぎるのを防ぎます。最初は白の塗料に黄色を混ぜて調色していきます。多く入っていそうな色から順に入れていくことで失敗しにくくなります。
しっかりと混ざったら、また色見本帳に近づけて見比べてみます。かなりイメージが近くなりました。ここまでの作業も簡単なように見えるかと思いますが、慣れていない方はこの段階に色を近づけるのにも時間がかかります。
乾かした板を色見本にあてて色を確認します。だいぶ色は近づいてきました。写真ではわかりにくいですが、色が鮮やかで濃く青みも強いです。白で濃さ、黒で鮮やかさ、黄色と黒で全体の色味を整える必要があります。
色を足して、混ぜて、乾かして、見比べて、という作業を繰り返します。微妙な色のズレや濃さを調整して見本通りの色へ近づけていきます。この作業が一番時間がかかります。
少ない量ほど色の配合がシビアになるので調色の難易度が高くなります。スプレー1本分の塗料は少量なので微調整にも時間がかかってきます。